激論240分!
『マンガ嫌韓流』著者と『ネットと愛国』著者が対決

「嫌韓とヘイトスピーチ」

山野車輪 (漫画家) × 安田浩一 (ジャーナリスト) & 安田浩一 (ジャーナリスト) ()

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第8回

「在日が怖いですか?」

—最後にうかがいます。こうした時代の空気のなかで、在日の多くは非常に苦しい立場へと追い込まれていると思う。僕の取材に対して「在日が怖い」と言う人は少なくないけれど、常識的に考えたら、怖い思いをしているのは在日の側でしょう。

「そうでしょうか。在日という存在が、日本社会にある種の恐怖を植え付けてきたことは事実だと思います。終戦直後に暴れまわったこと、朝鮮学校の生徒が日本人に喧嘩を吹っかけたことなどは多くの日本人が知っています。『嫌韓流』1巻を出したとき、僕も正直、怖くてしかたなかったんです。ビビってましたよ、本当に。なにをされるのかわからないという恐怖がありました。在日が集団で行政に圧力かけるような事件も過去にあったわけじゃないですか」

—いまは、そんなのないですよ。そもそも「真実」として書いた以上、書いた内容に責任を負うのは表現者としてある意味当然では?

「記者さんとは違います。素人がいきなり本を出して、一部で大きく話題となったのですから。怖いと思うのは当然じゃないですか」

—プロの漫画家は素人じゃあないでしょう。誰かを批判すればリアクションがあるのは当然。しかも一方的にヒール(悪役)として在日を描いているのだから、なにもない方がおかしい。

「ですから、言論的なリアクションだったらいいですよ。でも、なにがあるかわからない。実際、脅迫状とかももらいましたよ。あなたの家の住所を掴みましたよ、とか」

—山野さんの「怖い」と、在日が感じている「怖い」はまったく違うと思いますよ。

「在日は少数派とか言ってるけど、40万人近くもいるわけですよ。それを少数者だと考えることじたい、おかしいですよ」

—なんで?

「いまだったらいいですよ。世論が嫌韓に傾いているいまであれば、そんなに怖くはないけれど、僕が本を出した2005年当時は社会がまだ、そうした雰囲気を抱えていなかった」

—う〜ん、じゃあストレートに聞きます。在日が怖いですか?

「いまは、それほどでもないです。でも、かつてはめちゃくちゃ怖かった」

—なにが怖かったの?

「在日がなにであるかわからないから、怖かったんですよ」

—わからないから、怖かった? じゃあ、いまは、わかったの? いまは怖くなくなった?

「ある程度、わかってきましたし、わかるための努力もしています。象徴的な出来事もありました。桜井さんたち在特会が、朝鮮大学に対してデモをかけたじゃないですか。あれで、ああ、大丈夫なんだ、と思いました」

G2(ジーツー)
  1. G2(ジーツー)
    Vol.15

    【両陛下訪問で、水俣は癒されたのか】髙山文彦「美智子皇后へ 石牟礼道子からの『手紙』」
    激論240分! 山野車輪×安田浩一「嫌韓とヘイトスピーチ」
    中沢新一「海洋アースダイバー」
    講談社
    1,200円(税込)

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プロフィール
山野車輪 Syarin Yamano 漫画家 1971年生まれ。漫画家。2005年に『マンガ嫌韓流』を発表、物議を醸す。著書に『在日の地図』『韓国のなかの日本』『「若者奴隷」時代』『なる☆まん』、共著に『終戦の昭和天皇』ほか

安田浩一 Koichi Yasuda ジャーナリスト 1964年生まれ。事件・労働問題を中心に執筆活動を行う。著書に『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』『ネットと愛国』、共著に『安倍政権のネット戦略』『ヘイトスピーチとネット右翼』ほか

安田浩一 Koichi Yasuda ジャーナリスト 1964年生まれ。事件・労働問題を中心に執筆活動を行う。著書に『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』『ネットと愛国』、共著に『安倍政権のネット戦略』『ヘイトスピーチとネット右翼』ほか

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