本格評伝

同和と橋下徹(大阪府知事)

師事した弁護士と実母が語ったスター知事の“ルサンチマン”

森功 (ノンフィクション作家) () ()

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第1回

同和と橋下徹(大阪府知事)

愛想を尽かした「親弁」

「すべてを支配しているのは、ルサンチマンではないでしょうか。彼の行動をよく見ると、そう思えてなりません。とにかく複雑なんです」

かつて橋下徹が師事していた弁護士の樺島正法(68歳)は、そう分析する。橋下が司法修習を終え、弁護士登録する際に入ったのが、大阪の樺島法律事務所だ。当時の橋下は、軒を借りて活動をする居候弁護士で、斯界でいうところのイソ弁。親弁が樺島であり、人権派として知られる樺島法律事務所には、先輩弁護士である兄弁や姉弁などもいた。

広辞苑によれば、哲学者ニーチェが使った「ルサンチマン」は、「弱者が強者に対する憎悪や復讐心を鬱積させていること」とある。

知事就任から三年近くになろうかというのに、支持率八割を保つスター知事が弱者とは妙でもあるが、広辞苑は「怨恨・憎悪・嫉妬などの感情が反復され内攻して心に積もっている状態」とも説く。長いあいだ本人の心に潜んできたこのあたりの心理状態が、複雑なところかもしれない。

そう話す親弁は、すっかり橋下に愛想を尽かしてしまっている。きっかけは、知事になる前の二〇〇七年五月、関西ローカル番組「たかじんのそこまで言って委員会」(読売テレビ)に出演し、山口県光市の母子殺人事件弁護団批判をした一件だ。

「残念というか、弁護士というものはこんなものなのかなと。二十一人の弁護団の中の安田(好弘)っていう弁護士は、弁護士バッジを取らなきゃいけないはずなんですよ」

橋下流の過激な発言が飛び出す。

「あの弁護団に対してもし許せないって思うんだったら、一斉に弁護士会に対して懲戒請求をかけてもらいたいんですよ」

弁護活動に関する論評ならまだしも、これではまるでマスメディアを使った扇動だ。そこでこの年の十二月、橋下は逆に樺島らから大阪弁護 士会に懲戒請求されてしまう。それから三年後の二〇一〇年九月十七日、二ヵ月の弁護士活動業務停止という懲戒決定が下ったのである。橋下もいったんは処分を受け入れた。

「橋下ユーゲント」

しかし、黙っていられない性格なのだろう。すぐに別のアクションを起こす。事前に懲戒処分が新聞に漏れていたとして、弁護士会の会長を懲戒請求すると表明。

すると、樺島らは「業務停止二ヵ月」という処分が甘すぎるとして、異議を申し立て、同月二十四日、京都の市民活動家が、さらなる厳罰を求めて懲戒請求をした。まるで懲戒請求合戦の様相を呈している。

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横田洋子
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Re:
Reply #3 on : 2012/01/29 21:01:37
橋本徹「黒い報告書」読ませていただきました。政治家の動きというものはだいたいこんなものではないでしょうか。生まれや育ちは問題ではなく、社会的地位が高くなるにつれてそれなりの人格が備わってくるのではないかとも思います。しかし、彼以外の身内といわれる人のことを面白おかしくあげつらうことは読んでいて悪意がかんじられて文自体の信ぴょう性が疑われるように思います。「すさまじい血脈は、橋本徹が母親と共に背負ってきた十字架と言える」この書き方も大げさなように思います。小泉前首相の祖父も刺青がありやくざであったと読んだことがあります。とにかく橋下政治の結果を見守りたいと思っています。
山中鹿次
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橋下知事自身と報道の偏向ぶり
Reply #2 on : 2011/04/29 19:44:57
悪徳グレーゾーン金利の弁護していた人間が知事になることがおかしいし、それが高い支持もおかしい。以下でその問題特集です
http://yamashika.cocolog-nifty.com/chiki/2011/04/post-8521.html
石田 文人
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愛想を突かした(親弁)
Reply #1 on : 2010/12/06 15:33:01
そうですね!3年程前確かにその放送(仙台で)を見ました。
言っている気持ちは分かるような気がして見ていましたが、豪いお兄ちゃんが居るなうと思って居ましたが、今思うとちょっと怖いですね!最近のパフォーマンスを見ていると変っていないですね!
プロフィール
森功 Isao Mori ノンフィクション作家 1961年、福岡県生まれ。出版社勤務などを経て、ノンフィクション作家となる。主な著書は『サラリーマン政商 宮内義彦の光と影』(講 談社)、『黒い看護婦』『ヤメ検』(新潮社)、『許永中 日本の闇を背負い続けた男』『同和と銀行』(講談社+α文庫)など。最新 刊は『腐った翼』(幻冬舎)

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